観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

アベノミクスの終わりの始まりと衆議院解散総選挙

衆議院解散総選挙が決まりました。

12月2日公示、14日投開票。

12日間に及ぶ今回の国政選挙の動向は、これからの日本の「方向性」を決定づける、非常に大きな意味を持つと思います。

 

今回の福岡市長選挙で尊厳CITY構想を掲げる上でも、私たちは、日本が進むべき「方向性」の大切さを訴え続けて来ました。

 

今回の解散総選挙は、17日に発表された7-9月の実質国内総生産(GDP)の速報値が年率換算で1.6%減ということで、市場の予想に反して2期連続のマイナス成長になってしまったことが大きな要因です。

 

つまりは、アベノミクスによる日本経済の回復基調に先が見えなくなってきていると。

 

これは、いち日本国民としては非常に残念なことかもしれませんが、日本の未来を考え、新たに選択をしなおすために、「方向性転換」の大きなきっかけのメッセージとして受け取るべきではないかと思います。

 

既に多くの識者は、アベノミクスの限界について指摘してきていますが、いよいよアベノミクスの終わりの始まりが到来したということだと思うのです。

 

10月末の、黒田日銀による異次元金融緩和のサプライズ

これは、体力の弱りつつある患者をなんとか元気にしようとする大量の緊急輸血のようなものでした。それによって血液循環(お金の流れ)が活発になって体力回復(デフレ脱却)すればよいですが、その見通しはどうにも厳しい。

しかも当然ながら、新たに刷ったお金は未来の負債につながります。

 

異次元金融緩和による一時的な株高も、外国人投資家によるものが大きいとも言われます。そして、GDPマイナス成長の結果を受け、一時はあっと言う間に17000円を割りました。

この先は、株価はいっとき安定する様相を見せても、徐々に下がって行き、どこかのタイミングで一気に売りを仕掛けられて暴落する可能性もあります。

 

また、今回の金融政策に連動した円安は、輸出企業には一時的な恩恵があっても、結局中小企業の活性化にはつながらない経済構造になっています。

輸出企業•大企業の業績数値の「見かけ上の好調」はあっても、トリクルダウン(富める者が富めば、貧困層にも自然に富がしたたり落ちる)はおきません。

私たち一般国民の実質賃金も増えてはいません。消費も増えてはいません。

 

一方で円安は、当然ながら輸入に不利です。

エネルギー価格の高騰など、輸入品目の価格がじわじわ高騰するあおりをうけて、身の回りの生活消費財も値上がりして行きます。食品も、生活必需品も。

 

GDPマイナス成長

株価の下落の見通し。

円安の進行。

企業業績の上昇の頭打ち。

消費の不調。

生活の圧迫。

 

その中で、さらに一般国民の財布を圧迫する消費税の増税を、予定通りに来年10月に実施する路線が通用するはずがありません。

 

それで、2017年4月まで先送りすることをひとつの争点に、国民にその判断と「方向性」の信を問う、ということで、衆議院解散と総選挙になります。

 

党利党略としては、アベノミクスの失敗が自民党の支持率の大幅な低下につながる前のギリギリのタイミングで、野党の準備も整わない今、早急に解散総選挙して再度政権土台を安定させたいということでしょう。

実際、今日のタイミングで、今回の選挙に際してみんなの党の解党も報道されました。

 

今回の選挙は、うわべの争点は消費税の増税についてのことになり、もう一段階深い所ではアベノミクスの路線自体に対する審判になる、という構図です。

 

また、折しも福岡市長選挙と同日が投開票日であった沖縄県知事選挙で、自民党の既定路線であった辺野古への基地移転に反対を示す翁長雄志氏が当選しました。

 

これは、解散総選挙に向かう自民党政権にとっては手痛い敗北です。

 

経済のみならず、外交その他含め、安倍自民党政権の2年間の政権運営に対して、その「方向性」そのものが日本と日本国民の未来にとって適切で望ましいものであるのか、その大局的な観点から、今回の選挙の意義を捉え、アジェンダ(議題)を設定する必要性があると思います。

 

ただ、そこで重要なことは、単なる安倍政権批判やアベノミクス批判を合唱しても何の意味もないことです。

 

安倍自民党政権の「方向性」を支持するならば、その根拠と未来の可能性を。

そうでないならば、新しい「方向性」の代案と、その根拠と未来の可能性が健全に語られなければいけません。

 

明日からまた、しばらくそんなことを考えてみたいと思います。

今日も最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました!