観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

TPP問題の核心、ISD条項とドラえもん

2012年の衆議院選挙の際の自民党の公約の中で、TPPに関しては6つの項目が掲げられていました。

①政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。

自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。

国民皆保険制度を守る。

④食の安全安心の基準を守る。

⑤国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。

⑥政府調達、金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。

 

どれも重要でひとつひとつ取り上げたいですが、中でも⑤のISD条項には合意しないという公約は、TPPの核心的問題だと思います。

ISD条項(Investor-State Dispute Settlement)は日本語では、「投資家対国家間の紛争解決条項」になります。

ISD条項の危険性に気づき、警鐘を乱打している方々はたくさんありますので、ぜひネット上でも探してみて下さい。

 

ISD条項は、私の言葉でごくカンタンに言えば、日本の国家主権がグローバル資本の支配下にねじ伏せられる条項です。

 

細かく書けばその問題点はたくさんありますが、ドラえもんの力関係に例えて言えば、グローバル資本•外国投資家がジャイアンで、日本がのび太になります。

 

ジャイアンは、「のび太のくせに生意気だ。」の一言で、自分のすべての主張を強引に通してしまいます。

それに対してのび太はたいした抵抗はできません。涙をのんで、ジャイアンの支配下に入るしかありません。

 

ISD条項は、外国投資家、すなわちグローバル資本家が、日本の国内のいろんな制度に対して、「日本のくせに生意気だ。」という身勝手な主張のもと、日本を世界銀行傘下の国際裁判に強制的に引っ張り出して、その決定が強制力を持つという、とんでもない条項です。

 

まさしく自民党が危機感を抱いて公約に入れたように、日本という国の主権を損なうのです。

損なうという穏当な表現よりもさらに正確に言えば、日本の国家主権、日本の尊厳を破壊する強制力を持った条項です。

 

ISD条項を盛り込んだTPPに日本が参加すれば、ISD条項をフル活用して、日本の経済制度のみならず、企業文化や社会風土までもアメリカ流に改造できてしまう、経済植民地•精神植民地条項なのです。

 

また、もしもTPPを発足させる時の条件でアメリカが不足を感じるものがあれば、ISD条項を活用して、後からいくらでも日本にアメリカ流の改造を押し付けることができます。しかも、表向きには公正な国際裁判という衣をまとって。

 

よく挙げられる一例ですが、日本の食品添加物残留農薬の安全の基準が、自由貿易を求める外国人投資家にとって邪魔な「規制」であり、そのせいで自分たちの商品販売が「不利益」を受けているという理由で提訴される可能性もあります。

 

そして裁判で負けたら、日本の食の安全規制は撤廃されなければいけません。

 

食品表示に、遺伝子組み換え作物ではありません、という表示もされなくなります。

というか出来なくなります。

その表示があることが、外国人投資家の経済活動に不利益だから、という理由で。

 

遺伝子組み換えや種子の支配で世界的な大問題企業であるモンサントの食品などが、まったく見分けることもできない状態でスーパーに普通に並ぶようになります。

 

他にもたくさんありますが、とにかくISD条項は本来、国民的な議論のもとにその是非を問われなければならない大問題だと思います。

 

また、日本は一応民主主義国家ですから、私たちは選挙で国会議員を選びます。国会は日本の唯一最高の立法機関ですから、そこで決めたルールによって日本の政治は運営されます。

 

しかしISD条項は、そういうプロセスで国家の意思として決めたルールさえも、外国人投資家と、国際投資家裁判所の下で強制的に変えさせられる可能性がある条項です。

 

つまりは、国民の意思決定の否定、日本の国家と国民の尊厳の危機につながる重要な話なのです。

 

日本を支配の鎖でがんじがらめにしてしまうTPPとISD条項に対して、今回の選挙で各党はどんな見解を示すのか、注目していきましょう。

 

そして、もしメディアも政治家も沈黙するならば、その出来レースを受け入れながらも、私たちは次なる代案を考え続けていく必要があります。

 

日本が今置かれている見えざる危機は、本当に深刻です。

 

もしものび太ジャイアンに勝とうとするなら、のび太だけでは不可能です。ドラえもんの力が必要です。

ドラえもんの四次元ポケットがないと、問題解決はできません。

 

日本も、今のままの方法論では正直言って絶対にこの路線変更はできないと私は思っています。

 

だからこそ、まったく異質な次元からのアプローチで、ジャイアンとさえも最終的には和していく道を探さなければいけません。

 

そのロードマップが尊厳シティ構想なのですが、ブログレベルではまとめきらないので、そのうちレポート形式でのサイト整理もしていこうと思います。

尻切れトンボのようになってしまってすみませんが、ご理解ください。 

 

今日も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!