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観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

「インターステラー」を10倍楽しむために 〜基本的な意味の理解と少しのネタバレ〜

衆議院選挙の直前ですが、最近の政治関連の話題に少し小休止をいれてみます。

 

というのも、今話題の映画、「インターステラー」を観てきたもので、この映画のことは、ぜひとも何かしら文字化しておきたいなと思いまして。

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実際映画の中に、私が考える尊厳社会へのパラダイム転換に向けた教育革命の内容とも直結する要素が満載なのです。

そして、そこから展開する認識経済、尊厳民主主義という方向性にも。

 

というわけで、今日から数日、「インターステラー」について書いてみます。

オフィシャルサイトはこちら。

映画『インターステラー』オフィシャルサイト

 

この映画、私なりの観点からいろいろ解析、解説してみたいのですが、今日はその前提です。

映画じたいは掛け値なしに本当に素晴らしいもので、間違いなく、クリストファー•ノーラン監督の最高傑作だと思います。

 

ただ、ストーリーそのものの理解もさることながら、作中に出てくる鍵になる基本概念を前提知識として知っておかないと、作品の面白さも価値も、受け取るメッセージも浅くなってしまうんじゃないかと思う映画です。

 

それで、まだ観てない人に、この言葉、概念は知っておいたほうが、10倍楽しく観られると思いますよ!というおせっかいなコーナー。

観てない人向けに、あまりネタバレしない程度ですが、気になる方はこの先は映画を観てから読まれて下さい。

 

1、相対性理論

相対性理論が分からないと、この映画の面白さ自体が成り立たないくらい重要です。

アインシュタインが確立した相対性理論には特殊相対性理論一般相対性理論とふたつありますが、作中では特に具体的な説明もなく、さも当然のように両方の理論の概念が出てきます。

 

映画の関連したところだけごくカンタンに要点を押さえると、特殊相対性理論は、光の速さを基準に、光速に近づくほどに、時間の流れが相対的に遅くなる物理現象を説明します。

 

私たちは普段、ニュートン的な宇宙観で、時間も空間も絶対固定しているし、その時空の座標軸の中で物体(存在)が運動している、と思っていますが、実は時間も空間も相対的に伸びたり縮んだりするし、物体の質量も運動速度によって相対的に変わってしまうよ、ということをアインシュタインが理論化しました。

 

分かりやすいところで日本でよく例えられるのが、浦島太郎の「ウラシマ効果」です。

 

竜宮城に行って帰ってきたら、浦島太郎のその間の時間の流れ方が地上よりも相対的に遅いため、逆に時間が早く流れてしまった地上の世界の人々のほうは遥かに年月を重ねて、老いたり亡くなったりしてしまっていた、というあの話。

 

それぞれの観測者、それぞれの観点によって、それぞれの時空間、それぞれの宇宙があるのです。

 

映画で言えば、地球の外に出ていって、宇宙ステーションに帰ってくるまでのクーパーの身に起こっていることが「ウラシマ効果」です。作中では、「光速に近い速度でロケットは進む」といった主旨のセリフがあったと思います。

 

そしてもうひとつ、一般相対性理論です。これは重力の秘密を解明しようとした重力の理論です。

アインシュタインの重力方程式によって、重力の正体は、時空の曲率、時空の歪みであることを明らかにしました。

 

時空間と質量は分離できるものではなく、大きな質量の周辺では、強烈な時空の歪みが起こります。

 

例えば太陽は地球と比べてものすごく質量が大きいわけですが、その太陽の重力場につかまっているのが地球の公転軌道です。

 

つまり地球は、太陽の重力場=時空の歪みにそって、その時空間の海を泳いでいるお魚のようなものだということです。

 

太陽程度の質量ならよいのですが、さらに高密度、大質量になると、重力場の作用によって、その時空間の歪みが影響する範囲内の物質だけでなく、光すらもその場から脱出することができなくなります。

 

人間の全ての観測行為は可視光線(電磁波の部分的領域)によっているので、光がなければ観測できません。

そのため、光すらも飲み込まれるその重力場は黒い球体のようなイメージで描かれています。これがブラックホールですね。

 

2、重力

重力の秘密は、実はまだ物理学的に完全に解明されていません。

 

ニュートンの重力理論、それを補完•進歩させたアインシュタインの重力理論、そしてミクロの量子の世界の重力理論がありますが、それぞれ部分的な理論としては辻褄があうものの、理論を融合させようとすると理論が発散してしまいます。

 

作中では、ミラーの星は重力が大きいため時間の流れが相対的に遅く、逆に地球での時間の流れは早くなるため、ミラーの星での1時間が地球の7年にあたる設定になっています。

 

重力をどういうものと位置づけ、理解するかが、この作品の最重要の鍵でもあります。

 

3、ブラックホール

先ほど書いた通り、光すらも脱出できない高質量の場です。

作中では、ガルガンチュア、という名称が付けられたブラックホールが出てきます。

 

ブラックホール周辺は強烈な重力が働くため、一般相対性理論によって、時間の流れが相対的に遅くなります。

 

作中では、ブラックホールのギリギリの領域、事象の地平線での重力ターンをする間、51年の地球時間が流れます。

 

4、ワームホール

時空の虫食い穴、と呼ばれる数学的な理論です。ある時空間から全く別の時空間へと、トンネルワープするように移動できます。

 

光速で飛んでも到底到達できないような別の銀河にいくための、宇宙空間のどこでもドアだと思うと分かりやすいですね。

 

作中では、土星の軌道のあたりに、重力異常が起こってワームホールが出現してます。

 

4、事象の地平線

作中では、コップのふちに例えられています。コップの中が重力作用によるブラックホールですから、事象の地平線は、ブラックホールに飲み込まれるギリギリの領域です。

 

この先は物理的に観測もできませんし、データもとれません。コップの中に落ちてしまえばもうそこから戻ることもできません。

 

作中では、この事象の地平線を越えて重力の秘密を解くために、ブラックホールの中心ですべての物理量が圧縮された特異点の領域の量子データを取る挑戦が描かれます。

 

5、相対性理論量子論の統合

現代物理学の最難題です。物理学者まだ誰ひとり、完全な統一理論、マスター方程式を導き出せていません。

マクロの相対性理論、ミクロの量子論、それぞれのスケールの部分理論としては完璧なのですが、ひとつにしようとすると物理学の概念を越えてしまい、意味不明になります。

 

作中では、教授がこのふたつの理論の統合ができないままにプランAを推進し、最後に主人公の娘のマーフィがこの理論の限界に挑みます。

 

6、特異点

あらゆる物理量が圧縮され無限大になる場、ブラックホールの中心の中心で、重力場が無限大になる場です。

人知を越えた理解不能な場のため、特異点の秘密がわからず、結局重力の秘密も分からない、という、物理学者の限界の世界です。

 

7、五次元

たて、よこ、高さの空間三次元に、過去から現在、未来へと流れる一方向に流れる時間の一次元を加えた四次元世界の外の世界です。

 

宇宙全体は四次元時空間によって成り立っているので、私たちが認識している宇宙の外の世界が五次元の世界になります。

 

作中では、「五次元の存在」「彼ら」と呼ばれる何かが、超重要な役割とメッセージを持っています。

 

8、バイナリ

二進法のことです。コンピュータのバイナリデータは0と1のふたつのシンプルな組み合わせによります。

 

9、ラザロ

キリスト教新約聖書で、「ラザロよ、出てきなさい。」とイエスに言われて、死から蘇った人物です。

 

10、(おまけ)ユリイカ

アルキメデスが、アルキメデスの原理を発見したときに叫んだと言われている言葉。

「分かった!」「解けた!」という意味あいがあります。

 

ざっと今日はこんな感じです。

 

さて、ではこういった基本的な意味を踏まえて、「インターステラー」をどう読み解けばより面白くなるのか、明日から本番で書いていきたいと思います。

 

今日も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました! 

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