観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

『みんなの夢がかなうハイパーコネクション都市 −わくわく尊厳シティ−』未収録の第七章《vol.13》

『みんなの夢がかなうハイパーコネクション都市 −わくわく尊厳シティ−』未収録の第七章

 《13》 ひとつの時代の終わりと始まり

 

「まさに今、長い寒雪に耐えた人類のひとつの時代が終わり、万物が真実の呼吸を始め、人類社会が尊厳の春風に薫る未来が開かれてゆく。今日をもって新たなる時代の発動を歴史精神に宣誓し、未来文明の繁栄に寄与貢献する具現の勝利を確信するものである。」

 

フランス革命はブルボン王朝を中心とした旧体制に終わりを告げ、新たに「近代」という時代の扉を開きました。しかし、旧体制の下で長い冬のような厳しい生き方を続けてきた民衆たちが開いたその扉の先に待っていたものは、決して平坦な道ではありませんでした。

 

革命の混乱から生まれたナポレオン独裁により、フランスは王政を廃してまで築いた共和政体を放棄して、ナポレオン帝政へと移行しましたし、その後も、王政復古第二共和政第二帝政第三共和政と、ずっと政治体制が安定することはなく、現在のフランスの政治体制はようやく1958年に第五共和政として確立されたものです。

 

本当に、ひとつの時代を終わらせ、新しい時代を始めるということが、どれほどの困難と労苦と粘り強く強固な意志を必要とするのかということを痛感させられます。

 

有名なヴィクトル•ユゴーの「レ•ミゼラブル」は、ナポレオン没落後の1815年から物語が始まります。

 

この時代は王政復古の時代にあたり、ルイ十六世の弟ルイ十八世がブルボン王朝を復活しますが、続くシャルル十世時代に、旧体制に戻ったかのような王の政治に対して民衆たちの不満は最高潮に達し、再び王政打倒の革命の熱気がフランスを覆い、ついに1830年七月革命が起こります。

 

これにより、ブルジョワの推す「国民王」ルイ•フィリップが新たに即位し、フランスは再び明確な立憲君主制国家として道のりを歩み始めるようになっていきます。

 

このフランス七月革命におけるパリ市街戦をモチーフとして、ドラクロワが描いた「民衆を導く自由の女神」という有名な絵画には、自由の女神と共に革命に向かうピストルを持った少年が描かれていて、これが「レ・ミゼラブル」の登場人物であるガヴローシュという少年のモデルとなったと言われています。

 

その後、ルイ•フィリップの王政に対しても不満を抱いた民衆たちが1832年にパリで六月暴動と呼ばれる王制打倒の暴動を起こし、これが「レ•ミゼラブル」のクライマックスのシーンのモチーフとなって描かれています。

 

この暴動自体は鎮圧されますが、その後1848年の二月革命をもって、フランスの王政は完全にその歴史的役割を終えることになるのです。

 

「レ•ミゼラブル」のミュージカルでは最もシンボル的な曲として「民衆の歌」という歌がありますが、私はこの曲を聞くと、フランス革命で自由と平等の理想に燃えた民衆たちの熱く懇切な想いだけではなく、歴史上の支配権力によって虐げられた多くの人々の涙と、深い尊厳の意志から爆発する人間の強いプライドを感じます。

 

歌詞のいくつかの部分を日本語に意訳したものをご紹介しましょう。

 

民衆の歌が聞こえるか 怒れる者たちの歌う声が

それは民衆の歌う歌 二度と奴隷にはならぬ者の歌

我らの隊列に加わらないか 強い心で共に立とうではないか

障壁の向こうには 君たちの切望する世界が広がっている

さあ戦いに加わり給え 自由への権利を勝ちとる戦いに!

 

私達は今、歴史に埋もれた名もなき民衆たちの自由への意志を、さらに高く尊厳への意志として昇華し、人類社会に新たなひとつの時代の到来、尊厳の春風が薫る時代の到来を告げるために、前進していかなければいけない時を迎えていると思います。

 

「現代」を開く尊厳革命は、名もなきひとり一人の民衆の、人間の尊厳が満たされる社会への懇切な意志の宣誓から生まれていきます。

 

そして、それは絶対尊厳を誇り高く打ち立てた「一義」から始まる真理の愛の憤怒として、人間がなぜこんなにも悲惨で残酷で屈辱的な歴史を辿ってきてしまったのか、それを越えていく熱情によって広がっていくでしょう。

 

「人間本来の尊厳性と可能性はこんなものではない!」という、強い意志と願いを持って、人間のすべての悲惨の根本原因である「観点の問題」を解決し、二度と観点の奴隷にはならない絶対尊厳を手にした人々の連帯は、力強い社会変革の力となっていくでしょう。

 

そして、あらゆる境界線を越え、観点の障壁を越えた真実の世界のその先にある尊厳時代を、私達は自らの意志で創っていく時代的役割を担っています。

 

私達が行く道は、人間の尊厳性が花開いて世界中の人々が心からの笑顔に溢れている地球を願い、その未来を確信してただ歩み続ける道です。

 

そこに至る道は、誰かに依存したり、偶然を期待したりすることで開かれる道ではありません。尊厳時代という確かな目的地に向かい、歴史精神と共に一人ひとりの意志で創っていく道です。

 

その挑戦が未来文明にどれほど価値あるものとなるか、それは自ずと歴史が決めていくことでしょう。しかし、真実の心ひとつになれば、未来の勝利は今ここにすべて具現化されています。そして、それは現実的にもきっと必ず大きな歴史精神の祝福を受けるようになっていくことと思います。

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