観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

70年談話に向けて、ジョセフ•ナイ氏へのインタビューから考えること

朝鮮日報が行ったジョセフ•ナイ氏へのインタビューを見て、今年、日韓関係が新しい一歩へと動き出せたらいいなという思いを新たにしました。

 

日米間のオピニオンリーダーとして、国際政治学者として、その関係の人々の中では知らない人がいないジョセフ•ナイ氏が今の日韓関係をどう捉えているのかは、ぜひご一読をおすすめ致します。

www.chosunonline.com

 

ナイ氏の軸足は基本的にはアメリカにあるでしょうし、アメリカを中心とした世界秩序の思考方式であることは前提としてあるとは思いますが、東アジアを含めた世界全体のバランスという観点からも、日韓関係の前進を願っているのは紛れもなく事実でしょう。

 

今現在、東アジアの大きな構造としては、アメリカと中国のG2が友好と牽制の両方の要素を舵取りする関係性の中、日韓はその狭間で下部構造に置かれています。

 

その日韓がお互いにいがみあっていて益になるものがないことはどちらも当然分かってはいるのですが、「過去の刺」が抜けないために、未来に進めません。

 

ナイ氏は、20世紀前半に起こったことで21世紀に未来に向かって進めないのは両国にとって不幸、といいいます。

 

それは、まったくその通りだと思います。

 

もっとも日韓両国の国家中心的な観点からすれば、

「韓国人がいつまでたっても謝罪を求めるからだろう。」

「日本人がいつまでたっても心からの反省と謝罪をしないからだろう。」

 

ということなのでしょうが、これでは本当にどこまで行っても平行線です。

 

ナイ氏の認識に対して私は部分的には意見の違うところがありますが、日韓関係が未来に向かうべきだという全体像そのものは大賛成です。

 

ただその上で、三つの要素がさらに深く明確になることが両国間で共有されたらよいなと思います。

 

ひとつ目は、日本の観点や主張、韓国の観点や主張を、感情的にならず、自分の国の立場を基準点とした理解ではなく、「相手の立場そのものになって」正しく理解し合うこと。

 

これについては、言葉でいうほど実は簡単ではありません。

 

客観的に見ているつもりでも、実は「自分の国の主張のほうが絶対正しい」という無意識の底の観点がなかなかゼロ化されないからです。

 

結果的に、微妙な微妙な心のわだかまりはぬけません。これを乗り越えた相互理解の道を開くことが必要です。

 

ふたつ目は、日韓関係の問題の究極的な根源は一体何なのかという、問題の診断、そして処方をトコトン考え、問題発見と解決方法の軸足をそこにシフトすることです。

 

結論だけ言ってしまえば、観術がずーっと主張している通り、それは「観点の問題」に他なりません。

 

五感覚脳の認識機能、人間の認識能力そのものに共通の問題と限界があることが根本原因なのですが、そこを基準点として、そこから問題そのものを一掃する、両国が共有できる新しい教育が必要です。

 

最後に三つ目は、ナイ氏も少しだけ言及してはいますが、未来ビジョンにフォーカスすることです。

以下は朝鮮日報の記事からの引用。

 

―韓日両国は対立を克服し、前進できるのか。

 「私は両国の指導者が過去の植民地支配に起きた事件ではなく、国民が今後重視すべき事案について触れる終戦70周年談話を発表してもらいたい。特に韓国は過去よりもい未来に向かって進めば、得られるものははるかに多い」

 

ここでいう、「国民が今後重視すべき事案」という観点です。

 

過去の認識に対する解決の取り組みもさることながら、それも包み込んだ上で、それよりも100倍も1000倍も価値を持って輝く共通の理念と未来ビジョンが共有できれば、そこに向かって意識がフォーカスされていくからです。

 

ではそれが何なのかということを具体的にナイ氏はここでは言及してませんし、アメリカにそれを求めるのも全く筋違いでしょう。

 

日韓が、自らの中からそれを誕生させて、明確に発信する必要があると思います。

 

5月にチェジュフォーラムに参加しても思いましたが、手前味噌ではなく、日韓VISION同盟が提唱する未来ビジョンの道は、本当に今の日韓両国にとって重要なことだと感じました。

 

11月に福岡で開催されるNURITSYOというイベントに向けて、観術、NRグループが今の時代に提示する日韓、アジア、そして世界の未来ビジョンを、しっかり発信していこうと思いました。

 

まずは6月、日韓VISION同盟•韓国代表のノさんが直接、日韓国交正常化50周年にあたっての講演を行いますので、その前日のイベントも含め、ご興味ある方はぜひ下記イベント、ご参加くださいませ。

 

人間には、向かうべきビジョンがあれば、そこに向かって全てを変えて行く力がきっとあります。

blog.kanjutsu.net