観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

日韓関係を扱ったニコニコドキュメンタリー「タイズ•ザット•バインド」エピソード1を観て

ニコニコドキュメンタリーで日韓関係をテーマにした取り組みがされていると聞いて、その番組を拝見してみました。日韓関係の改善を願う私としては興味を引かれるところ。

 

今回のドキュメンタリーの主旨と川上会長のコメントはこちらにあります。

blogos.com

まず第一に、今現在メディア上では特に扱いにくいであろう「日韓関係」という問題にあえて踏み込んでみた意思は、メディアイノベーターとして素晴らしいチャレンジだったと思います。

 

第三者の視点で、という意図で、イギリスのBBCに相談をして、イギリスのドキュメンタリー会社が制作したこの番組。

 

上の記事の中で説明されているように、タイトルセンスが面白いなあと思いました。

「タイトルの"Ties That Bind"は、イギリスでは、好きか嫌いかに関わらず、関係が結びついてしまって離れないことを指す。」

 

まさしく日韓関係はそういう状態ですね。

 

さて気になる内容の評価ですが、当然ながら賛否両論分かれるところもあるでしょうし、ドキュメンタリーなので、別に画一的な評価でなくて各人がそれぞれ問題意識を深められればそれで一段階はOKなのだと思います。

 

それで、私の個人的な感想をいくつか。

 

まず、番組の枠外の大前提の話になりますが、番組制作者の底を流れる無意識の認識について。

 

何かというと、そもそも日本は侵略国である、という事実認識です。

 

少し穿ってみましょう。

番組を制作したイギリスは、周知の通り日の沈まぬ大英帝国として、世界の海に覇を唱えました。そして、大英帝国の領土拡張とは、つまりは植民地支配に他なりません。そして第一次大戦でも第二次大戦でも、イギリスは戦勝国側です。

 

「勝てば官軍」ということわざで言えば、官軍にしかなったことがない国です。

 

そういう国の日本とアジアに対する観点というものは、無意識のうちにですが、番組制作の中でも滲んで出てくるものだと思います。

 

番組内ではっきりと表現されている部分はありませんが、日本は韓国、アジアを侵略した国、という大前提のトーンがあるように感じます。ですから、日本の立場はどうしても、弁明、弁解、自己正当化じみたニュアンスを帯びてしまう印象を受けます。

 

ただこれは、番組制作者やニコニコの意図がどうこうというよりは、世界の一般的な認識がそのようになっている以上は、どうしようもないことです。

 

そして、実際その通りじゃないか、という声は日本の中でも大多数かもしれませんし、もちろん韓国人はその認識です。国際社会においても基本的に日本はそのように認識されています。

 

言いたいことはその是非ではなく、歴史や政治の認識において、そもそも第三者による客観性、なるものの基準を立てることがほぼ不可能なくらい困難なことだということです。

 

番組内でも、両論併記のかたちで編成しようという姿勢は観て取れますが、実際のところはどうなのかは、ぜひそれぞれご覧になってみてください。

 

それと、このドキュメンタリー制作に際してのアンケート結果にあるとおり、韓国に行ったことがある日本人は、四分の一にも届きません。

 

普通に日本で生活したり働いたりしていればそうなるとは思いますが、ここからさらに、韓国人と実際に歴史認識や領土問題で話した経験を持っている日本人の数となるともっと少なくなると思います。

 

つまりは、ネット上での情報、メディアが流すニュース性や刺激性の強い情報などを観たり聞いたりして、そのイメージからの判断をするほかないのが実情だということだと思います。

 

知らず知らずに作られた観念の思い込み。その中での憎しみや侮蔑が両国民に広がっているのは、哀しいことですが紛れもない事実です。

 

この日韓関係の現状をどう打開していけるのか。

明日は、番組で取り上げられている個別のトピックよりは、その本質論的なところの感想を続けてみようと思います。

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