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観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

アジアの涙を想う夏 〜映画『永遠の0』と『国際市場で逢いましょう』〜

8月に入りまして、連日猛暑日です。

この時期になるとどうしても、70年前の戦争のことが頭をよぎります。

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折しも日本では安保法制をめぐる議論も沸騰し、いよいよもって、「戦後70年」の節目をどう迎えるのかという課題に対しての向き合い方が問われています。

 

これは日本人ひとり一人が考えなければならない問題だと、私は思います。

そして、「アジアの侵略」と「アジアの解放」という相反する評価の狭間で、未だに苦悩する日本という国の涙を癒し、もう一度力強い鼓動を起こす道を考えることも。

 

大きく歴史を観れば、19世紀半ばの黒船の来航以降、日本はアメリカとの関係性の問題を引きずったまま、150年以上に渡ってまだ克服できていないのだと思います。

 

それまで200年以上国を閉ざし独自の平和な文化を営んでいた国に、大砲を突きつけて強圧的に開国を迫ったアメリカと、幕末の日本。

 

その前にイギリスによってアヘン戦争で国を蹂躙されていた大国•清の惨状からみても、日本が置かれた状況は、文字通り国家存亡の危機でした。

 

既にして、南アメリカ、インド、アフリカ、オーストラリア、北アメリカ、東南アジアと、白人帝国主義が地球上を席巻していた時代。

 

そんな中、アジアで最初に近代化を果たした日本だったからこそ成し得た偉業と、それゆえに背負ってしまった深い責任、そして業(ごう)とも言える、欧米との摩擦。

 

当時の歴史の全体像を把握するためには、いくつもの角度から慎重に切り込みを入れて行かないと、どこかに偏った観点からの捉え方だけに固定されてしまう危うさがあります。

 

植民地帝国主義の時代。

日本が、欧米の覇道の模倣かアジア主義の王道かの狭間で揺れていた時代。

 

人種差別が当然のように横行していた時代。

黄色人種で唯一、白人と肩を並べたがための、責任と傲慢が交錯する時代。

 

共産主義が地下深くから勢力を伸張していた時代。

帝国主義ファシズムの対立構造の果てに、その後一気に訪れた冷戦の時代。

 

キリスト教宣教師が布教の意思を広げ、影で力を持っていた時代。

国際金融資本が策動していた時代。

 

貧しさから、ただ「生きる」ために、開拓にその人生をかけた時代。

異国の地、異民族との摩擦が、相互の誤解と憎しみを増長させた時代。

 

戦争を避けようと懸命の努力を重ねた時代。

戦争に巻き込もうと、大いなる謀略が働いていた時代。

 

独立自尊を願い、そのために命をかけた時代。

戦争が生み出す憎しみが、お互いの尊厳を破壊し合った時代。

 

愛する人を、命がけで守りたかった時代。

愛する人を守るために、命を捨てるしかなかった時代。

 

思想やイデオロギーを越えて感じるべき、その時代状況の中で懸命に「生きた」ひとり一人の人間精神の強い想いが、今でもまだ、息づいているような気がします。

 

政治や歴史の評価は置いておいて、その時代状況の中でそう生きるしかなかったひとり一人の人間の尊厳性に対しては、国家民族を越えて、ただ合掌するのみです。

 

人間の尊厳性が満たされる世が、いつかこの地上で現実のものとなりますように、と。

 

後は、有名な映画ですが二つとりあげて今日の雑感は終わります。

 

日本の涙、特攻を扱った映画、『永遠の0

ONE OK ROCKの歌と編集が絶妙な哀切をかき立てるこのバージョン、ぜひご覧ください。

www.youtube.com

そしてお隣韓国も、あの当時は同じ国、「日本」でした。

その歴史認識をめぐっては今でも議論が絶えませんが、あの戦争を戦った後、南北に分断され、今でもその悲劇が癒されることのない、朝鮮半島の涙もあります。

blog.kanjutsu.net

家族が離散し、同じ民族同士で戦争し、虐殺しあうという悲劇の戦争を乗り越え、世界の最貧国から這い上がってその誇りを刻んできた、韓国の涙もあります。

 

その半島の歴史に無関係ではなく、また無責任でいるべきではない日本人にとっても、ぜひ観て欲しい映画がこちら、『国際市場で逢いましょう』。

www.youtube.com

最終的に私たちは今、多角的に歴史を捉えてその痛みや悲劇を胸深く刻んだのち、どんな想いを選択するべきなのか。

 

私は、誰かを批判したり過去の傷を抉ったりするのではなく、日本も韓国も、アジアも欧米も、世界の誰もが本来心深くに望むであろう、「人間の尊厳性」をしっかりと確立できる社会の創造に力を合わせて向かうことだと思います。

 

尊厳主義にもとづく、尊厳社会の実現に向けて。

 

戦争の夏、改めて、日本の涙と韓国の涙を感じ、自分の「今」と、そして世界のこれからとつなげて想いを馳せてみる時間も、きっと大切ではないでしょうか。

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