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観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

安倍談話の全文を観て 「歴史認識」「未来志向」「積極的平和主義」などを「底上げ」する、尊厳主義の日本へ

昨日8月14日18時、安倍談話が発表されました。

 

談話が発表される前に私が今回の談話に対して考えたことは昨日長めに書きましたので、今日はその続きで、談話内容を受けて思うところを少し。

よろしければ昨日のブログもお読みいただけたら嬉しいです。

blog.kanjutsu.net

さて予想通りといえば予想通りですが、国内外で談話の内容には賛否が分かれています。

非常に複雑でナイーブな背景がある問題だからこそ、万人の観点からみて賛辞が集まるようなものは、もとより期待できません。

 

基本的には、安倍内閣として、戦後の日本が置かれた立場と、国内外の多種多様な意見と状況を踏まえた上での総合的な談話であったことの主意を、まずはそのまま正確に汲み取ってみることでしょう。

全文はコチラから。

www.kantei.go.jp

談話の内容に対しては各メディアや政治家、有識者のコメントが寄せられていますが、ポイントは大きく二つだと思います。

 

過去の歴史に対する向き合い方と、「未来志向」の具体的内容について、の二つです。

 

過去の歴史認識をめぐっては、大きく二つの賛否です。

ひとつは、村山談話と歴代内閣の立場を引き継ぐと表明している割に、直接的明言をせずあいまいにした、これでは反省が不十分だ、という観点。

 

もうひとつは、注視されていたキーワードも散りばめながら全体としてバランスよくまとめ、今後の外交努力や具体的取り組みにつなげる流れとして一歩前進できた、というような観点。

 

他にも細かい表現にこだわる人や極端に批判する人もいるかと思いますが、皆さんはどう感じたでしょうか。

 

昨日のブログにも書きましたが、私は歴史認識については、どれが正しい、間違いという次元の議論では絶対に合意点に達しないと思っていますので、二元論的な是非ではなく、歴史認識の本質である「観点の問題」をゼロ化することによる根本解決主義の路線が最善の解消法だと考えています。

 

それは同時に、今回の安倍談話で強調する意図を持っていた、「未来志向」という二つ目のポイントにも直結するものです。

 

歴史の痛みや歴史の涙を胸深く刻み、未来に戦争の惨禍を二度と起こさないように決意し、考え、行動することと、単に過去の謝罪と反省を繰り返すことは異なるものでしょう。

 

真実に戦争の悲劇に心からの反省をするのであれば、ただ日本の戦争だけではなく、人類史上の過去の戦争と、今現在世界各地で起こっている紛争の悲劇すべてに対して、なぜ人間という存在が争いから自由になれないのかを徹底的に考え、その根本原因に対する反省と解消への取り組みを目指すべきだと思います。

 

なぜなら、古今東西、老若男女に関わらず、「人間の尊厳性」が毀損され続けた人類の戦争の歴史に対する根源的な洞察と反省がない限りは、それを本気で越えるための探究と方法が生まれてこないからです。

 

戦争の惨禍で苦しんだ人々は、日本の戦争だけではありません。世界中で、歴史上で、そして今現在も終わりなく続いている人類史的課題です。

 

私は、安倍内閣が「未来志向」の中心にすえる「積極的平和主義」や途上国支援、国際経済システムの発展などを考える上でも、21世紀日本の世界貢献の最重要の柱は、「教育」だと考えています。

 

NRグループの開発した認識技術によるグローバル人材育成のための新しい教育は、まず、今回の談話に象徴されるような「認識」の対立、衝突という人間の認識空間の戦争を解消することができるものです。

 

第二次大戦後の1946年、二度と戦争の惨禍を繰り返さないようにという願いのもと創設されたユネスコ国際連合教育科学文化機関)憲章の前文冒頭には、次のようにあります。

 

「この憲章の当事国政府は、この国民に代わって次のとおり宣言する。

戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。

▶︎国際連合教育科学文化機関憲章(ユネスコ憲章)/The Constitution of UNESCO:文部科学省

 

この宣言にある通り、まさしく戦争は、まず初めに「人の心の中」で生まれます。

あいつが許せない、あいつが憎い、あいつを排除したい、あいつを殺したい…。

 

そしてその内なる認識空間の戦争が外部空間にひっくり返ったとき、物理的な戦争になります。

だからこそ、「人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」とユネスコ憲章では謳っているのでしょう。

 

「人の心」という概念をより正確に洞察すれば、そこには、自他に対して、○×、善悪、好き嫌い、という判断基準を終わりなく働かせてしまう、人間の脳の認識機能による「観点の問題」があるのです。

 

人間は日常的に、自分の脳の観点を基準に生まれてくる「これは×、これは悪、これは嫌い」といった判断基準で、相手に対して、その人の認識空間の中で戦争を起こしているのです。

 

歴史認識をめぐる争いも同じこと。

 

だからこそ、戦争の根本原因である「観点の問題」をゼロ化する教育は、決して戦争をしない「平和のとりで」を心の中に築くことができる、人間共通の争いの根本原因を解消する最も本質的な世界平和への貢献になります。

 

力の競争という国際社会の冷厳な現実を基準にすれば、現内閣の「積極的平和主義」の路線だけにとどまりますが、そこからさらに、「本物の平和国家」日本として世界の発展と恒久平和に貢献しようとするならば、その最重要の鍵は、「戦争の根本原因がゼロ化された人間」を生み出せる教育の普及ではないでしょうか。

 

だから私は、過去の歴史認識問題に対する根本解決路線と、「積極的平和主義」という日本の「未来志向」の柱は、「観点の問題」を解決できる教育によってどちらもよりメタレベルで同時にクリアし発展できると考えています。

 

これはまた、AIやITが進化する今世紀において難題となる人間教育のあり方において、世界のグローバルスタンダードモデルとなる「基軸教育」を打ち立て、それにより世界貢献する道でもあります。

 

ダイナミックな規模での「基軸教育」の世界展開がもし可能であれば、貧困や途上国支援を考える上で長期的に絶対不可欠である教育の充実化の「底上げ」にもなるでしょう。

 

また、モノ、カネ、情報が溢れて飽和しているにも関わらず社会に活力が生まれない「先進国の罠」を突破する経済のニーズレボリューションは、「人間開発への投資」になっていくことは時代の趨勢だと思います。

 

鬱も増え、ロボットも増え、雇用や人間のアイデンティティの危機が懸念される時代の課題を考え、またお金の価値が人間の尊厳性を破壊する金融資本主義の問題を思えば、人への投資を中心にすえる人本主義経済、Edunomics(Education×Economics)の国際経済システム構築の検討は、日本発の大きな「未来志向」の価値創造につながると思います。

 

最後に。

 

「観点の問題」を解消し、「観点の次元上昇」による真実の人間の尊厳性に立脚した「尊厳主義」の日本の確立は、自由主義のアメリカと共産主義の中国の二大対称性による世界をより深いところから底上げするために、非常に重要なテーマです。

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昨日のブログでも触れたように、「未来から来る発想」で日本の役割を考えたとき、西洋近代文明が生み出した個人主義全体主義自由主義共産主義といったパラダイムを「底上げ」してAll-winできる、新たなアジェンダ•セッティングが必要です。

 

日本の和心、日本の関係主義の力で世界をひとつに和していく平和と繁栄への「未来志向」のビジョンの具現化に向けての第一歩は、なにをさておいても人間の認識にイノベーションを起こすことができる、教育の力です。

 

世界に必要とされ、世界に愛され、人間共通の課題をクリアできる「基軸教育」によって、人間の尊厳性がしっかりと共有されていく世界秩序を目指すこと。

 

その教育と経済を融合させながら、新しい経済、社会システムを構築し、意思決定能力を高めた人々による尊厳民主主義の世界秩序を構築していくこと。

 

「未来志向」を謳った戦後70年の安倍談話が、日本とアジアと世界の未来に向けて、この時代が求める壮大なパラダイムシフトへの道を開拓していく契機になることを願いながら、NRグループの取り組みもさらに力強く前進させていこうと思います。

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