観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

アーリントン国立墓地で思ったことと、日本のこれから

昨日の午後、アーリントン国立墓地を歩いてまわりました。

 

アメリカのために命を捧げ、祖国の国難に殉じた英霊たちを顕彰し、慰霊する場。

無名戦死の墓の前で祈りを捧げて、広大な敷地に広がる数えきれない白い墓石に刻まれたひとり一人の人生に想いをはせながら。

 

ほど近い所には、海兵隊のメモリアルとして、硫黄島の戦いの大きなモニュメントが建てられています。

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右側に黄色いベストを着た管理人が写っているので、どれくらいの大きさか掴んでもらえるでしょうか。

 

映画「父親たちの星条旗」で有名な、あの写真のモニュメントです。

建国以来のアメリカ海兵隊の歴史の一ページを飾る、いわば勝利と栄光のシンボル。

 

対して日本からすれば、敗北の象徴でもあります。

硫黄島が落ち、B29の本土爆撃がその後いよいよ苛烈を極めるようになっていきます。

 

ひとり一人の国民からすれば、お互いが、お互いの国の正義や誇り、尊厳、そして愛する人や家族を守りたいがために。

そのために、同じく大切な愛する人がいる相手の国の軍人の命を奪わなければいけない。

 

お互いが愛するもののために戦い、お互いがそれぞれ愛する人がいるのに、その愛する人から大切な人を奪ってしまうこと。

 

戦争の、この哀しい矛盾。

 

人類最大の戦争だった第二次大戦は、国家の観点からみればいろんな要素がからみあって、単眼的思考では深い理解ができません。

 

日本は負けたから、敗戦国であり侵略国になっていますが、もしも日本がアメリカに勝っていたら、ハワイ、フィリピンを占領し、中国大陸で宣戦布告なしに国民党に対日本戦の戦闘機や武器を後方支援し、無差別空爆と原爆投下で民間人を大量虐殺したアメリカは、大きな反省と謝罪を要求され続けていたかもしれません。

 

でもアメリカ国内には、社会主義者もいたし、共産主義のスパイもいたし、国際金融資本の暗躍もありました。多くの研究が示しているように、パールハーバーも事前に情報をつかんでいたでしょう。

 

また日本の中にもアメリカのスパイはいたし、共産主義のスパイもいました。ソ連にとっては悪夢だった日本の北進が現実化されずに南進論が既定路線となったのもそのひとつの現れなのだと思います。

 

戦後の歴史をみれば、第二次大戦後に一番勢力拡張に成功しているのは共産主義圏であることは誰の目にも明らかな事実ですから、第二次大戦の裏の要因は、連合国と枢軸国の漁夫の利を得た共産主義勢力の勝利だったとも言えるでしょう。

 

結果的に第二次大戦後、アメリカは冷戦構造の責任を追わなければいけなくなりました。

 

その共産主義を支援したのが国際金融資本だとか、またヒトラー資金援助して育てたのはやはりアメリカに本拠を置く国際金融資本だとか、色んな研究があります。

 

日本は中国大陸にあそこまで深く入り込む意志はなく、盧溝橋の後から不拡大方針を掲げていたのに、実質的には中国共産党コミンテルンにからめとられてしまった側面が強いと思います。

 

だから毛沢東が、1949年の中国共産党政権の建国は日本のおかげだと言ったといわれる説は納得がいきます。

 

蒋介石の国民党も道具として利用されたあげくは、大陸を追われて台湾に押し込められてしまいました。

 

そうして今もって続く、中国と台湾の対立。

そして、共産主義北朝鮮と、自由主義の韓国の対立。

アジアを侵略した罪を糾弾される、日本と北東アジア諸国の対立。

 

アジアで最初に近代化したがために背負わざるを得なかった日本の宿命。アジアの意志半分、西洋の意志半分。

アジアの解放•繁栄と、力によるアジアへの進出•統治と。

あるいはマッカーサーが戦後米議会で証言したように、日本の安全保障上の理由もあったでしょう。

 

一方で、戦勝国クラブである国連の常任理事国が、アフリカで、インドで、アジアで、太平洋で、どんな侵略支配をしてきたのかを咎める立場の国はどこもありません。

 

そして日本はアメリカの保護国になり、7年近い占領統治を受けて、未だにアメリカの下部構造です。

 

いま、戦後の秩序を創ったアメリカ初め西洋諸国は、対国家間戦争の時代を越えて、出口の見えない対テロ戦争の時代へとどんどん歩みを深めています。

 

西洋諸国のつくった近代国民国家という枠組みの押しつけ自体がそもそも気に入らないイスラム共同体の意志や、極端に先鋭化したISの脅威も収束の方向性が見えません。

 

背景には、世界的な経済格差や資源の争奪、雇用の喪失や人生の喪失感、そして現社会、現文明へのフラストレーションなど、いろんな要因もあるでしょう。

 

また一部指摘されているように、ソ連のアフガン侵攻以降アメリカがアルカーイダを育てたように、イラク戦争以降アメリカがISを育てている背景もあるのだと思います。

 

それで、世界はすっかり、いつどこでどんな風に起こるかわからない、「テロの恐怖」に疑心暗鬼になり、ささいなことでも強迫症のように、「テロだ!」という観念が植え付けられてしまうようになりました。

 

この世界の動向は、今後深刻化するでしょうし、解決のメドが立ちません。

 

近代文明をつくった理念や枠組みそのものの、さまざまな根本的な矛盾や問題がからみあって表出しているからです。

 

そんな中、日本だけが一国平和主義でいられる時代も終わってしまいました。

憲法9条があっても集団的自衛権と国家的危機の解釈しだいで日本は軍事力を行使できる範囲が格段に広がっていますから、9条の意義は実質的に骨抜きにされてると考えるべきでしょう。

 

中国の南シナ海の軍事基地建設は誰が見ても明らかな国際法違反の暴挙ですから、米軍の対応やそれに期待する東南アジア諸国の反応があるのは理解ができます。

 

中国と本格的な戦端を開く事態まではまだよく分かりませんが、それよりも危惧すべきは、日本国内でのテロです。

 

それが真実であれ偽装であれ、ISのテロが国内で一度起こってしまったら、日本はいよいよ有志連合の作戦展開に引きずり込まれざるをえないでしょう。

 

「日本の誇り」を主張する保守層は、喜んで「対テロ戦」の大義を喧伝するかもしれません。2003年のイラク戦争がそうであったように。

 

2015年、時代は、テロをどうするか、という大きな難題を世界的に抱えるようになりました。

 

フランス革命に端を発する、テロル(恐怖)による人心操作と支配体制。

 

「近代」を越える挑戦、その突破口を、日本は開いて行かなければいけないのでしょう。

骨抜きになった9条に執着するのではなく、この混沌をもたらした西洋近代にただ追従するのでもなく。

 

過去の歴史の罪や痛みや責任論も越えて、人間共通の課題を越えられなかったその限界を包み越えていく意志で。

 

新しい日本の創造。

その命題が、避けて通れないときになっています。

 

12月13日の公開講座は、観術創始者の盧さんが、この時代的難題を日本からどう解決するのか、そのビジョンを語られると思います。

▶︎HITOTSU学公開講座

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今日は私見を思うままただつらつら書いたので、異見のある方も広い心でご容赦ください。

 

翻って、アーリントン国立墓地の空気を思い出しながら。

憎しみや争いによって人々が別れ、命を落とすことのない世界。

国家、民族、宗教の別で血が流れることのない尊厳の世界が、開かれていきますようにと、そう願うのでした。

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