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観術総合研究所 - 代表・内海昭徳(うつみあきのり)-

ひとり一人の尊厳性と可能性が花開く、尊厳社会へ

慰安婦問題「最終的かつ不可逆的に解決」!!そして、その先へ…

2015年の最後に、とっても嬉しいニュースです。

 

日韓両外相の共同声明として、両国の長年の懸案事項であった慰安婦問題について、

 

「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」

 

との共同声明が出されました。

また安倍総理と朴大統領も電話で、今回の合意に至ったことを互いに確認し、評価したとのこと。

 

外相の声明の全文は、外務省のHPに簡潔にのっています。ぜひご一読を。

日韓両外相共同記者発表 | 外務省

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慰安婦問題については、当事者、研究者、関連団体等々、本当にさまざまな立場での、さまざまな観点があります。

 

両国の複雑な歴史的、文化的、政治的、経済的、教育的背景のもと、

それぞれの、痛み、涙、苦しみ、思惑、主張、正当性、誇り、尊厳があります。

 

現実的にはもちろん、それら全てがすぐに完全に綺麗に解決し、一掃されるわけではないでしょう。

 

今回の合意内容についても賛否両論あるでしょうし、細部の議論や調整はこれからもしばらくは続いていくのも間違いないと思います。

 

また、あくまでも自分が貫きたい主張によって、感情や信念によって、あるいは政治的な利害や意図によって、今回の合意をよしとしない観点も多々あるでしょう。

 

特に韓国の政治団体やメディアの多くは、素直に歓迎し喜ぶ論調よりは、合意に至るプロセスやその背景、内容について、安倍総理に対しても朴大統領に対しても厳しく批判する割合のほうが大きいと思います。

 

しかし今回のこの合意は、深い政治判断にもとづいた歴史的な転換点として、高く評価するべきだと私は思います。

 

また韓国内から批判的な声があるとしても、日本人はもうその声にいちいち腹を立てたり批判合戦をしたりせず、大きな心で日本人の品位と節度をもって隣国との友好関係の進歩に心を向けるべきです。

 

実際、慰安婦問題の両国の観点と主張の合意点や妥結点、着地点をみつけることは、どちらかの主義主張をただ理解させようという姿勢ではどこまでも並行線になってしまって不可能でした。

 

それで、お互いにもううんざりした国民感情や、いらだち、あきらめ、怒り、などなどが噴出し、一部の反日嫌韓感情の高まりは非常に悪影響を及ぼしました。

 

両国がお互いの立場と主張を明確に伝え、理解し合い、ギリギリの線での譲歩と合意に至った今回の政治判断は、日韓両国の未来を本当に考えるのであれば、大人の度量でお互いが大きく受け入れ、共に喜び合うべきことでしょう。

 

日本の中の一部の右翼的言説、また韓国内での強硬な左翼的言説はすぐにおさまることは期待できません。

 

また韓国は南北分断による共産主義勢力の政治的影響力が根深く浸透していますから、日本人は、韓国内での反日的言動の背景の複雑さをしっかりと把握した上で、安易な韓国批判をすることが東アジア全体の未来にとって全くの逆効果になることも直視すべきです。

 

他にも日韓両国に対する中国、アメリカの政治的思惑などの影響ももちろん強くあると思いますが、そういったこと全部を踏まえても、とにかく今回の合意は日韓関係の次のステップへの大きな希望と受け止めるべきです。

 

外相の共同声明には、

「今後、国連等国際社会において、本問題について互いに非難•批判することは控える」

という文言も明確に盛り込まれています。

 

日本政府としては、

慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から日本政府は責任を痛感している。」

 

という表現で解決への道筋をつけました。

日本の立場と主張、敗戦国という弱みとそれでも譲れない誇りとを、ギリギリのラインでまとめて、どの「観点」を選択して、この問題をまとめたのか。

 

この一文の背景には、本当に深く、これまでの関係者の思慮がにじみ出ていると思います。

 

またその上で、

「安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。」

と明言しました。

 

この一言を盛り込むまでの両国の折衝、安倍総理の思慮にも相当深い背景があると思いますし、日本の右派はこれに反発せず、また心ある韓国の人は、ぜひ総理本人のこの想いを率直に受け入れて欲しいと願います。

 

慰安婦問題は重層的で複合的な要因がありますが、最も根源的には、

人間の尊厳性の問題

であると、私は考えています。

 

人類史上、古代からずっと変わること無くおびやかされ続けてきた、女性の尊厳性、そして人間そのものの尊厳性。

 

その痛みといやというほど向き合い続けてきた日韓両国だからこそ、2015年12月28日という日を明確な転換点として、これからは、新しい日韓関係へと飛躍的に進歩して行って欲しいと強く思います。

 

「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」

 

ことが明言された、日韓国交正常化50年の今年。

そうであるなら、次に意識をフォーカスすべきは、新たな50年に向けて、日韓両国がどんな未来ビジョンに向かって、より親密な関係性を構築できるかがテーマになります。

 

世界の経済、金融、石油、テロ、人工知能•ロボット開発などなど、文明的な共通の課題を抱えている今の時代だからこそ。

 

これからの日韓関係は、世界に貢献できるパートナーとして、どんな方向性、どんな未来像を描くべきなのか。

 

その観点での議論と交流がどんどん活性化されていくことを心から願うと共に、NRグループ、日韓VISION同盟としても、そのための動きを、出来る限り努力して頑張って行きたいと改めて思います。

 

よろしければ今年盧さんと一緒にソウル大学に提出した論文も、ぜひご一読ください。

そして、ちょうど来年1月10日から始まるHITOTSU学公開講座で、韓国、日本、アジア、そして世界の歴史とどんな風に出会い直し、新たなビジョンを再構築すべきなのか、折笠講師の講義を多くの方々と共有できることを楽しみにしています。

 

人と人、国と国が手を結び合える、美しい未来のために。

2015年末、大きな希望を形にしてくれた日韓両国の今回の合意に至る関係者の皆さまのご尽力に、心から敬意を表します。 

blog.kanjutsu.net 

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